弁護士コラム

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2015.03.21更新

【Q】

「父が亡くなったので,実家の土地と建物の名義を変更しようと思ったら,まだ祖父の名義になっていることが分かりました。相続人を調べてみたのですが,会ったこともない人がいるし,連絡が取れない人もいるし,困っています。私の名義にするにはどうすればいいでしょうか。」

【A】

相続が起こったときは,市区町村役場で戸籍を取り寄せて相続人を確認し,その相続人と連絡を取って,遺産分割の話合いをする必要があります。相続人の中に会ったことがない人がいる場合でも,その人を除いて遺産分割の話合いをすることはできません(そのような遺産分割は無効なので,相続人全員の署名押印のない遺産分割協議書を法務局に持って行っても,登記名義の変更は受け付けてもらえません)。必ず相続人全員と連絡を取って,遺産分割協議書に署名押印をもらっておく必要があります。住所が分からない場合は,戸籍と一緒に取得できる「附票」で確認することができます。

ところが,戸籍の附票で住所を調べて手紙を出してみても,実際はそこに相続人が住んでおらず,連絡が取れない,という場合があります。連絡が取れなくても,やはりその相続人を外して遺産分割協議を進めることはできません。

こんなときに使うのが「不在者の財産管理人制度」です。住所や居所を去って,戻ってくる見込みのない人(不在者)について,家庭裁判所が,その人の代わりに財産を管理する人を選任する制度です。

不在者の財産管理人を選任するときは,家庭裁判所に書類を揃えて申し立てることが必要です。通常は財産管理人の候補者も事前に見つけて,申立書に書いておきます。

家庭裁判所が財産管理人を選任してくれたときは,その財産管理人を含めて遺産分割協議を行うことになりますが,財産管理人は不在者の財産を「管理」する権限しか持っていませんので,財産を「処分」を伴う遺産分割協議は,当然には行うことができません。財産管理人が遺産分割協議を行うには,あらかじめ遺産分割の内容を整理して,家庭裁判所から「権限外行為の許可」をもらう必要があります。

権限外行為の許可が得られれば,財産管理人を含めて遺産分割協議書を作成することになります。

あびこ

投稿者: 安原・松村・安孫子法律事務所

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