弁護士コラム

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2014.07.16更新

2週間ほど前,国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィス(HRW)の土井早苗代表が福岡にいらっしゃるということで,意見交換の機会をいただきました。

HRWは,世界各国の人権状況を監視するNGOで,毎年たくさんの報告書を公表して,人権課題の解決に向けた活動を行っています。そのHRWが,今年5月,「夢がもてない:養護施設や里親の下で暮らす子どもたち」というタイトルの報告書を公表しました。

国際人権NGOが取り扱う人権課題というと,途上国や紛争地域に目が向きがちですが,日本にも深刻な課題がたくさん残っていて,とりわけ子どもの人権については,先進国の中で最も遅れていると言われています。今回の報告書は,子どもに関する人権課題の中でも,社会的養護(親と暮らせない子どもたちを養育する取組み)の分野に着目して,厳しい注文を付けています。

報告書と一緒にリリースされた動画には,次のような説明が添えられています。

[ quote ]

日本では,実親と暮らせなくなった39,047人(2013年時点)の子どもたちが,­乳児院,児童養護施設,情緒障害児短期治療施設,自立援助ホーム,里親制度,ファミリ­ーホームからなる「社会的養護」システムの下で生活しています。そのうち,施設に収容­中の子どもは全体の85%。この比率は,米国の23%や韓国の56%と比べてもとても­高く,子どもにとり家庭環境での養育が重要とする国際基準からもかけ離れています。更­に,養子縁組され,社会的養護の外に出る子どもはわずか303人(2011年)しかい­ません。これらの子どもたちは,生活に必要なスキルを身につける機会もなく,大人とな­っても自立した生活を営むことが難しい状況におかれています。

[ unquote ]

http://www.hrw.org/ja/video/2014/05/27

土井さんとは,弁護士としてこの問題にどう関与できるか,という視点で意見を交わしました。込み入った話になるので,詳細は書ききれませんが,福祉の分野にとどまらず,司法の分野でも改善できる余地がたくさんあることを教えていただきました。

福岡で何かできることがないか,考えていきたいと思います。

あびこ

投稿者: 安原・松村・安孫子法律事務所

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