弁護士コラム

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2014.11.28更新

福岡市の児童相談所が入居する「福岡市こども総合相談センター(えがお館)」は,福岡ドームの隣にあります・・・。それはそれで本当のことですが,ここで言いたいのは,地理的なアクセスのことではありません。

児童相談所がターゲットにしているのは,虐待を受けている子どもたちや,子育ての悩みを抱えた親御さんたち。こうした人たちの話を聞き,課題を見つけ,その課題を解決できるように様々な社会資源を駆使して支えていくのが,児童相談所の仕事です。

ところが,虐待を受けている子どもたちも,子育ての悩みを抱えた親御さんたちも,自分から相談に出向くのはほんの一握り。虐待を受けている子どもの多くは,自分が「被害者」だとは認識していませんし,子育てに悩む親御さんも,「自分で頑張らなきゃ。」とか,「子育てに失敗した親だと思われたくない。」とかいった心理が働いて,SOSを発信しにくい状況にあるからです。

虐待で子どもが亡くなったり重篤な後遺症を負ったりする事件を見ても,必ずと言っていいほど,背景に「孤立」の問題が横たわっています。

こうした問題を解決するために,児童相談所では,相談窓口を広げたり,SOSをキャッチしやすい医療機関や保健所,学校からの情報収集に努めたりと,さまざまな対策を進めています。

しかし,勇気を振り絞って「児童相談所に相談しよう!」と思ったとき,いったいどこに電話をかければいいのか,知っている人は少ないのではないでしょうか。そうした場面で,まず最初に思いつくのは,「インターネットで調べてみよう。」ということ。スマートフォンが普及して,ほとんどの人がインターネットを使うことができるようになっている現在,このツールを使わない手はありません。

とはいえ,児童相談所は「お役所」です。都道府県や政令指定都市は,たいてい児童相談所を紹介するページを持っていますが,どれもお堅い造りで,お世辞にも相談しやすい雰囲気とは言えません。

つい先日,ここに目をつけた画期的なプロジェクトが始まりました。九州大学の田北雅裕さんが中心となって,福岡市児童相談所のホームページをデザインしようというプロジェクトです。

しかも,ただ業者さんに製作を依頼するわけではなく,クラウドファンディングを使って資金を集め,それを福岡市に寄付してしまおうという野心的な試み。資金的な問題をクリアすると同時に,児童相談所の存在や役割を知ってもらうこともできます。

寄付の受付けは来年1月15日まで。登録も簡単で,クレジットカードで入金できます。一定額以上の寄付をした人には素敵なノベルティが送られるそうなので,ぜひ立ち寄ってみてください。

https://motion-gallery.net/projects/localdesign

あびこ

投稿者: 安原・松村・安孫子法律事務所

2014.11.16更新

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成年後見業務をしていると,担当している方が入院する場面にたびたび遭遇します。そこで悩ましいのが医療同意の問題。入院先の病院から,「胃瘻を造設したいのですが,本人の意思確認ができません。後見人のほうで同意書を作成していただけませんか?」といったお話をいただくことは珍しくありません。

医療同意の性質については,様々な見解が示されていますが,大方の理解では,同意できるのは本人だけで,後見人には同意の権限も義務もない,とされています。同意書にサインを求められても,後見人としては「できません。同意する権限がないんです。」とお答えする以外にありません。

とはいえ,本人の意思確認ができず,本人のために同意してくれそうな身近な親族もいない場合に,誰も同意ができないから,そのまま最期を待ってもらうしかないというのも,ずいぶんと無責任な感じがします。後見が開始した当初からまったく判断能力を欠いていたという方はともかく,そうでない方については,同意を求められる時が来る前に,後見人がしっかり話をして,その意思を事前に確認しておくことが大切ではないかと思います。

こういった考えもあって,最近,私が担当している方と順次お会いして,写真にあるような「事前指示書」を見ながら,終末期医療について考える取組みを始めています。判断能力の有無や程度にかかわらず,誰にとってもたいへん難しい問題。一緒に頭を抱えながら,人のいのち,自分のいのちについて,日々考えています。

*写真の事前指示書は,臨床心理士の藤井悟子さんが書いた『延命治療について知っておきたいこと 〜こころに添う最期〜』(西日本新聞社,2014)に収録されています。

http://www.amazon.co.jp/dp/4816708790

あびこ

投稿者: 安原・松村・安孫子法律事務所

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