弁護士コラム

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2015.03.31更新

先日札幌地裁で、野球観戦に来ていた方にファウルボールがあたって
失明してしまったという事故があり、日本ハム球団側に賠償を命じる判決が下りました。

以下「どうしんウェブ引用」
「札幌ドーム(札幌市豊平区)でプロ野球の試合を内野席で観戦中にファウルボールの直撃を受けて右目を失明した札幌市の30代女性が、北海道日本ハムファイターズと管理会社の札幌ドーム、ドームを所有する札幌市に約4700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、札幌地裁であった。長谷川恭弘裁判長は「ドームの設備は安全性を欠いていた」として、球団などに約4200万円の支払いを命じた。

 原告代理人の弁護士によると、同種の訴訟で球団側に損害賠償を命じる判決は全国初とみられる。球団側は「一球団のみならず野球界全体に及ぼす影響も十分に考えられる」として控訴する方針。

 判決理由で、長谷川裁判長は「ファウルボールがごくわずかな時間で観客席に飛来することを考えると、ドームの安全設備は観客の危険を防止するに足りなかった」と結論付けた。

 判決によると、女性は10年8月、日ハムの試合を一塁側内野席で家族と観戦中、ファウルボールが顔に当たり、眼球破裂で右目を失明した。」(引用終わり)

福岡もヤフオクドームでプロ野球の試合が開催されており
コカコーラシートなど防御ネットが全くなく、
間近でプロ野球選手のプレーを体感できることをうりにしたシートがあります。

球団側が控訴をする理由で述べているように
これは球界全体に影響を及ぼすことになりそうです。

野球観戦する場合に、「ファウルボールによる怪我については一切責任を負わない」と
誓約させるのも消費者契約法からみて難しいでしょうし、かといって、全ての賠償義務を負担する
というのは、球団側にとって酷でしょうね。

では、札幌地裁がいう安全性はどこまで求められるのか?

メジャーリーグの球場はほとんどネットがありません。
フィールドと観客席もかなり近いと言われています。
ボールパークとも呼ばれ、観客は野球を一緒に楽しみに来ています。

日本では、文化の違いといえば簡単ですが
球場にいくのは、プロ野球を見に行く?応援に行く?プロの凄さを体感する?
接待でたまたま来て、ビールを飲む?デート?_

フィールドと防御ネットで囲めばこのような事故は起きないのは
わかりますが、これではプロ野球を生で観戦するという醍醐味が全くそがれてしまいます。

プロ野球を見に行くということがどういうことなのか。球団に求められる安全配慮義務とは
どういうものなのか。

高裁の判断が注目されます。

ヤスハラ

投稿者: 昭和通り法律事務所

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