弁護士コラム

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2016.06.04更新

少し前の報道で,マンションの一室で民泊を運営しているオーナーについて,大阪地裁が民泊としての使用の差止めを認める仮処分を出していたという話がありました。報道によれば,決定は今年1月のことだそうです。

多くのマンションでは,専用部分(各部屋)の用途を管理規約で制限していて,一部を店舗として開放しているマンションやオフィス街にあるマンションを除けば,「専ら住宅として使用するものとし ,他の用途に供してはならない」という定めが置かれているのが通例です。

マンション標準管理規約(単棟型)では,12条に用途制限の定めが置かれています。

この用途制限をめぐっては,過去にも様々な形で争われています。暴力団の組事務所,宗教団体の集会所,消費者金融の事務所,飲食店,エステ店,スモールオフィスなど,大きなスペースを必要としない業態が流行るたびに,トラブルが起き,訴訟が起きていました。その意味では,今回の民泊をめぐる裁判は,日ごろからマンション管理にかかわっている者にとっては,それほど大きな驚きはなかったのかもしれません。

とはいえ,「どこも管理規約で禁止されているから,マンションでは民泊はできません」という話で終わるわけにもいきません。確かに郊外にあるファミリータイプのマンションであれば,見知らぬ人が日常的に出入りすることは多くの住民にとってマイナスでしょうから,用途制限は残さざるをえないと思います(そもそも郊外のマンションに民泊のニーズが集中することは考えにくく,制限されて困るオーナーも少ないと言うこともできます)。しかし市街地のワンルームマンションであれば,投資目的で所有しているオーナーが多いので,空室が続くよりも,民泊を解禁して賃料収入を確保したほうがマンション全体にとってプラスに働く,ということは十分にあり得るはずです。

マンション管理規約は,管理組合の総会で区分所有者と議決権の4分の3以上の賛成を得ることができれば,改正することができます(区分所有法31条1項)。始めたいというオーナーさんも,止めたいという役員さんも,合意形成に向けた丁寧な下地づくりが求められます。

あびこ

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マンション「民泊」差し止め,大阪地裁が初判断

2016年05月24日 20時35分

マンションの部屋に旅行者を宿泊させる「民泊」の是非が争われた仮処分裁判で,大阪地裁が,マンション管理組合の主張を受け入れる形で部屋の区分所有者に差し止めを命じる決定を出したことがわかった。
民泊を禁じる司法判断が明らかになるのは初めて。

決定は今年1月27日。管理組合の弁護士によると、理由は示されなかったが、所有者側は異議を申し立てなかったという。

同弁護士によると、大阪市内にある100戸超の分譲マンションで,昨年3月頃から、特定の2部屋に出入りする外国人が急増。部屋の区分所有者から明確な説明はなかったが、管理組合は民泊を行っている可能性が高いと判断し、昨年11月に仮処分を申し立てた。

区分所有法には、全体の利益に反する行為を禁じる規定がある。またこのマンションの管理規約には「専ら住居として利用する」との条項があった。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160524-OYT1T50068.html

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投稿者: 安原・松村・安孫子法律事務所

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