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2016.06.06更新

札幌ドーム自体に瑕疵(通常有すべき安全性の有無)がないということについて

若干の補充をさせていただきます。

判決では「観客は、相応の範囲で、プロ野球というプロスポーツの観戦に伴う危険を引き受けた上で、プロ野球の球場に来場しているものというべき」

 

「臨場感も球場におけるプロ野球観戦にとって本質的な要素となっている」

 

「安全性の確保のみを重視し、臨場感を犠牲にして徹底した安全設備を設けることは、プロ野球観戦の魅力を減殺させ、ひいては国民的娯楽の一つであるプロ野球の健全な発展を阻害する要因ともなりかねない」

 

と判示しています。

 

私も同感です。

 

では、ファイターズがなぜ怪我の責任を負うことになったのか?

 

それは、「新しい客層を積極的に開拓する営業戦略の下に、保護者の同伴を前提として本件試合に小学生を招待する企画」に応じた結果、怪我をしてしまったということに起因しています。

 

そのような企画に基づいて参加した観客との関係においては、次のような義務がファイターズにはあったとしました。ちょっと長いですが引用します。

 

「野球観戦契約に信義則上付随する安全配慮義務として、本件企画において危険性が相対的に低い座席のみを選択し得るようにするか、又は保護者らが本件ドームに入場するに際して、危険があること及び相対的にその危険性が高い席と低い席があること等を具体的に告知して、当該保護者らがその危険を引き受けるか否か及び引き受ける範囲を選択する機会を実質的に保証するなど、招待した小学生及びその保護者らの安全により一層配慮した安全対策を講じるべき義務を負っていた」

 

この安全対策を講じていたとは認められないとして

責任を負うということになりました。

 

つまり、通常のチケット販売をして球場に来ていた観客であった場合には、上記のような特別な契約関係にないため、観客がファウルボールで怪我をしても、球場の安全性が確保されていれば、責任を負わないということになります。

 

 

コカ・コーラシートなどに座る際は、十分に気をつけないといけませんね。

 

 

以上、ヤスハラでした。

投稿者: 安原・松村・安孫子法律事務所

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